【解決事例】後遺障害非該当の自賠責保険の判断に対し異義申立を行い、2度目の異義申立により、漸く後遺障害が認定され、示談成立となった自転車事故の事例
被害者
30代女性
事故態様
自転車で横断歩道を直進中、右折してきたタクシーに衝突され、自転車ごと左側に転倒した。
傷病名
左鎖骨骨折、頸椎・腰椎捻挫、両足(膝)打撲等
治療の経過
事故後、救急搬送先の病院で骨折の手術を行い、退院後はリハビリ治療を続けたが、腰部の疼痛と痺れ、足(膝)の疼痛はなくならず、事故後約8ヶ月経過後に症状固定となった。
異義申立の経過
症状固定後、被害者請求により、自賠責保険に対して後遺障害等級認定の申請をしたが、後遺障害には該当しない(非該当)と判断された。
被害者は、この結果に納得が行かなかったため、自賠責保険に対し異義申立を行うことを希望。その頃には、病院を転院し、近医のクリニックで疼痛治療を継続していたので、クリニックの主治医に協力を求め、第1回目の異義申立を行ったが、結果は変わらず、非該当であった。
被害者は、この結果に対しても納得せず、さらなる異義申立を希望したので、病院カルテや検査結果、刑事事件の記録、協力医の意見等あらゆる資料を検証し直し、2回目の異義申立を行った結果、腰部症状(腰痛~足の痺れ)に対し、後遺障害14級の認定が得られた。
交渉経過
加害者(タクシー)の対応に不信感があったため、事故直後から弁護士依頼。物損をはじめ入院中の休業損害や入通院交通費等については示談交渉時までに全額の支払を得た。示談交渉時に問題となったのは過失相殺のみであったが、その点も、交渉の結果、過失相殺0(=被害者過失は無し)で決着し、事故から3年半後に漸く、示談成立となった。
本件の特徴
本件は、異義申立を2度も行ったこと、異義申立の結果自賠責保険の判断が覆ったこと、さらには示談成立までに3年半もの長期間を要したという意味で、特筆すべきケースでした。
特に、覆らないといわれる自賠責保険の判断に対し、諦めずに2度も異義申立を行ったことは被害者自身の頑張りがないと、あり得ません。その原動力は、被害女性の「この認定はおかしい」という確信でした。
代理人である私には良く分からない、「おかしい」という確信を一緒になって掘り下げた結果、紆余曲折はあったものの、最終的に効果的な主張と証明活動ができ、認定が覆ったと感じています。
【2023年5月12日更新】
執筆者:渋谷シエル法律事務所 弁護士小林ゆか
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