【Q&A】私の母も一緒に事故に遭いましたが、母は私達家族と別居しており、数年前に父が他界したため、今は独り暮らしです。母は主婦としての休業損害を支払って貰えるでしょうか?

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私の母も一緒に事故に遭いましたが、母は私達家族と別居しており、数年前に父が他界したため、今は独り暮らしです。母は主婦としての休業損害を支払って貰えるでしょうか?

弁護士からの回答

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このケースでは、休業損害を支払ってもらえない可能性があります。
専業主婦や兼業主婦が交通事故に遭った場合、原則的には休業損害を支払ってもらうことができます。 

これは、家事労働にも経済的な対価が認められると考えられているからであり、その場合、全年齢の女性の平均賃金を用いて計算されます。
ただ、1人暮らしの人の場合には、休業損害が認められないことが多いです。
1人暮らしの場合、自分のために家事労働を行っているのであり、他者のための労働ではありません。そうなると、財産的な収益を上げる性質のものではないと考えられるため、経済的な対価性を持たないと考えられるからです。 

裁判で争われた例もありますが、多くのケースで1人暮らしの専業主婦の休業損害は否定されています。ただ、1人暮らしの人であっても、他者のために家事を行っていた場合などには、休業損害が認められることがあります。 

また、交通事故の怪我が原因で家事ができなくなって、現実に家政婦などを雇ったケースでは、その費用を損害として請求することができます。 

次に、本件では、休業損害が認められるとしても、高齢であることを原因に減額が行われる可能性があります。
高齢者の場合、若い人よりも労働力が低下するので、家事労働者の休業損害の場合にも減額が行われることが多いです。この場合、65歳以上の賃金センサスが用いられたり、ケースごとに基礎収入を割合的に減額するなどして、金額が調整されます。
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