【弁護士コラム】高次脳機能障害の「見えない壁」を突破する

— 主治医面談・意見書依頼などの後遺障害サポート —

交通事故による頭部外傷後の後遺障害として高次脳機能障害があります。高次脳機能障害は、その影響が外見から分かりにくく、「見過ごされやすい障害」とも呼ばれます。

 

この障害の特徴として、ご本人に物忘れや注意力低下といった症状の自覚(病識)が乏しい場合が多く、周囲の方も変化に気づきづらいことが少なくありません。

 

長く寄り添ってきたご家族でさえ、私たちが丁寧に質問を重ねる中で初めて、「そういえば事故後から…」と行動面や感情面の微細な変化に気づかれることも多々あります。

 

こうした“見過ごされやすい変化”を医学的に正確に評価していただくためには、主治医の先生との面談が欠かせません。

 

弁護士は、必要に応じて主治医面談に同席し、または代理人として病院を訪問し、日常生活で起きている具体的な困りごとや、ご家族が感じている違和感を、医師に専門的な視点から正確にお伝えします。そのうえで、必要な検査の実施をお願いし、裁判や後遺障害申請に用いる意見書・後遺障害診断書が、実態を正確に反映したものとなるよう、最大限の努力を尽くします。

 

医師との面談においては、医学的な専門用語や検査の意義など、ご家族だけでは判断が難しい点が多くあります。この分野に精通した弁護士が関与することで、症状の整理から書面作成までのプロセスが格段にスムーズになり、適切な医学的評価と、公正な賠償を受けるための確かな基盤を築くことができます。

 

高次脳機能障害のケースは、専門家が丁寧に関わることで初めて実態が明らかになるものが少なくありません。ご自身やご家族の「見過ごされやすい変化」でお困りの際は、どうぞ一度ご相談ください。

 

【2025年12月10日更新】
執筆者:渋谷シエル法律事務所 弁護士小林ゆか

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