【弁護士コラム】高次脳機能障害の「見えない壁」を突破する
— 主治医面談・意見書依頼などの後遺障害サポート —
交通事故による頭部外傷後の後遺障害として高次脳機能障害があります。高次脳機能障害は、その影響が外見から分かりにくく、「見過ごされやすい障害」とも呼ばれます。
この障害の特徴として、ご本人に物忘れや注意力低下といった症状の自覚(病識)が乏しい場合が多く、周囲の方も変化に気づきづらいことが少なくありません。
長く寄り添ってきたご家族でさえ、私たちが丁寧に質問を重ねる中で初めて、「そういえば事故後から…」と行動面や感情面の微細な変化に気づかれることも多々あります。
こうした“見過ごされやすい変化”を医学的に正確に評価していただくためには、主治医の先生との面談が欠かせません。
弁護士は、必要に応じて主治医面談に同席し、または代理人として病院を訪問し、日常生活で起きている具体的な困りごとや、ご家族が感じている違和感を、医師に専門的な視点から正確にお伝えします。そのうえで、必要な検査の実施をお願いし、裁判や後遺障害申請に用いる意見書・後遺障害診断書が、実態を正確に反映したものとなるよう、最大限の努力を尽くします。
医師との面談においては、医学的な専門用語や検査の意義など、ご家族だけでは判断が難しい点が多くあります。この分野に精通した弁護士が関与することで、症状の整理から書面作成までのプロセスが格段にスムーズになり、適切な医学的評価と、公正な賠償を受けるための確かな基盤を築くことができます。
高次脳機能障害のケースは、専門家が丁寧に関わることで初めて実態が明らかになるものが少なくありません。ご自身やご家族の「見過ごされやすい変化」でお困りの際は、どうぞ一度ご相談ください。
【2025年12月10日更新】
執筆者:渋谷シエル法律事務所 弁護士小林ゆか
当事務所の弁護士である、小林のコラムです。
是非ご一読下さい。
民法改正
● 民法改正(債権法改正) の民事交通事故実務への影響
平成29年5月26日に、民法の債権関係規定を見直す法律(民法の一部を改正する法律・平成29年法律第44号)が成立し、令和2年(2020年)4月1日に施行されました。
このうち交通事故への影響が大きいのは、次の改正です。
■ 法定利率の見直し
法定利率とは
利息が発生する権利関係において、利息を支払う合意はあるけれど利息に関する約定(合意)がない場合には、法律で定められた利率が適用されます。この場合の利率を法定利率といい、民法では、従前、法定利率は年5%と規定され、且つ固定金利制がとられていました。
それが、この度の民法改正によって、「法定利率は年3%とする」と規定され、施行時において年3%に引き下げられました(改正後の現行民法404条2項)。又同時に、法定利率は変動制とされ、将来の市中金利の変動に伴い一定の指標を基準として3年ごとに変動するものとされました(改正後の現行民法404条3項以下)。
改正内容のまとめ
このように、民法改正により、①法定利率の引き下げとともに、②緩やかな変動制が導入され、さらに、これに伴い、③商事法定利率(年6%)は廃止されました。
■ 遅延損害金
民事交通事故訴訟は、不法行為に基づく損害賠償請求として提起するので、訴状には、「被告は原告に対し、金○○円及びこれに対する令和○年○月○日から支払済みまで年○パーセントの割合による金員を支払え」と記載します。このうち、「金○○円」は、請求する損害賠償金の金額ですが、それに続く「及びこれに対する令和○年○月○日から支払済みまで年○パーセントの割合による金員」というのは、遅延損害金を意味します。
民法改正以前は、年5%の固定金利制だったため、ここには「年5パーセント」と記載していましたが、民法改正により、法定利率が変動制とされたため、いつの時点の法定利率を用いるのかが問題になります。この点、改正民法では、「債務者が遅滞の責任を負った最初の時点における法定利率」によると明記されました(改正後の現行民法419条1項)。
ところで、不法行為に基づく損害賠償債務は、一般に、不法行為時に直ちに遅滞に陥ると解されています(最高裁第三小法廷昭和37年9月4日判決)。そこで、事故時の法定利率によって遅延損害金を算定することになります。
つまり、事故発生日が施行日前(=令和2年(2020年)4月1日以前)であれば、年5%の固定金利となりますが(改正民法附則17条3項)、事故発生日が施行日後(=令和2年(2020年)4月1日以降)の場合は、当初3年間(令和2年4/1~令和5年3/31)は年3%となります。
令和5年4/1以降の法定利率:
令和5年4/1以降の3年間においても、法定利率は3%のまま変動しないことになりました。
この結果、事故発生日が令和2年3/31までの場合は年5%、事故発生日が令和2年4/1~令和8年3/31までの場合は年3%で、遅延損害金が算定されることになります(令和8年4/1以降は未定)。
最終更新日:2023年4月29日
執筆者:渋谷シエル法律事務所 弁護士 小林ゆか
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