【バイク事故判例㉜】高速出口からの直進専用車線を左折した乗用車と側道を直進中のバイクとが衝突し、右足関節外果骨折等の傷害を負ったバイク運転者が賠償金の支払を求めて提起した裁判で、請求どおりの金額が認容された事例

(令和4年9月29日大阪地裁判決/出典:ウエストロー・ジャパン)

関係車両

バイク(普通自動二輪車) 対 四輪車(普通乗用自動車)

 

事故の発生状況

事故現場は高速道路の出口付近。側道の第1車線は左折専用車線に、第2車線は直進専用車線となっていて、高速出口と側道第2車線の間には、ガードレールが設置されている。

 

バイクは、側道の信号機の表示(青色)に従って、側道の第2車線を直進進行しようとしたが、そのとき、高速出口から直進専用車線を進行してきた乗用車が左折してきたため、バイクの前部と乗用車の左側面前部とが衝突し、バイクは前方に飛ばされた。

 

けが(傷害)

右足関節外果骨折等

 

治療期間

約1年1ヶ月(入院期間を含む)

 

後遺障害

右足関節外果骨折後の疼痛等の症状につき自賠責保険後遺障害等級12級13号(「局部に頑固な神経症
状を残すもの」)

 

判決のポイント

①過失割合(バイク運転者の過失の有無)

裁判所は、高速出口を走行する車両と側道の第2車線を走行している車両は、指定通行区分に従って通行していれば衝突することはなく、衝突の原因は、乗用車が直進せずに左折したからで、尚且つ左折するにあたり自車の左後方から側道の第2車線を走行してくる車両の有無及びその安全の確認義務を怠ったからであると述べて、乗用車の過失責任を認めました。

 

一方、バイク運転者が、高速出口からの車両は直進するものと信頼し、側道用の信号機の表示(青色)に従って走行することは当然であると述べ、バイク運転者には、斟酌しなければならないほどの過失はないとしました。

 

②損害額

バイク運転者が主張する車両損害及び人身損害に対し、乗用車側は損害額を争いましたが、裁判所は、「入通院日数・傷病名に照らすと通院慰謝料として120万円を認めるのが相当であり、後遺障害の部位や程度に照らすと後遺傷害慰謝料として280万円を認めるのが相当である」等と述べ、バイク側の請求どおり総額1800万円余りの賠償金支払を命じました。

 

小林のコメント

本件の受傷内容は、右足関節の外果骨折(がいかこっせつ)というもので、右足の足首の外側を骨折したものです。

 

足関節の内側(内果)や後ろ(後果)も同時に骨折することもあり、その場合は三果骨折(さんかこっせつ)といわれますが、いずれにせよ足首部分の骨折は、足が固定された状態でねじりなどの過大な外力が加わったときに生じると言われ、バイク事故では起こりがちです。

 

治療方法としては、骨折部をスクリューやプレート等で固定しますが、痛み等の神経症状が残存し、後遺障害が残ることもあります。

 

プレートを抜去するまでに時間が掛かる等、治療期間も長くなるため、通勤等のためにタクシーを利用することも必要となり、本件でも、被害者の請求したとおりのタクシー代が認められました。

 

特筆すべきは、タクシー代はもとより、被害者(原告)が請求したとおりの賠償金が裁判で全部認められたことです。

 

裁判では多くの場合、被告が請求額を争い、それなりの反論をすることもあり、原告の請求額が全額認められることは珍しいですが、本件では、裁判所は、「原告の請求は全部理由があるからこれを認容する」と述べ、請求額どおりの賠償金支払を命じました。

 

【2023年12月9日更新】
執筆者:渋谷シエル法律事務所 弁護士小林ゆか

 

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